2020年11月13日金曜日

「砂の上の足あと」 ある夜、私は夢を見た。 私は海辺を歩いていた――神と共に。それぞれの場面にくっきりと彫りつけられている砂の上の二対の足あと。 一対はわたしの、そしてもう一対は神のもの。 そのようにして、わたしの生涯の最後の場面が浮かんだ時わたしはふりかえった ――砂の上につづいている足あとを。どういうことだろう、これは? ところどころでは足あとはたった一対、それも一生のうち、もっともみじめな朝、わびしいゆうべに・・・ 「神さま、あなたは約束してくださいました――わたしがあなたにしたがおうと決心したときに――『これからはいつも、あなたと共に歩もう』と。 でも、わたしの一生のもっとも暗い日々には、足あとはたった一対だけ。 神さま、私があなたをせつに必要とした時、なぜ、ああ、なぜ、あなたはわたしをひとりぼっちになさったのですか?」 「わが子よ、わがいとし子よ、どうしてわたしがあなたを見捨てるだろう?あなたの試練のとき、苦しみのときに、もしも一対の足あとしか、あなたに見えなかったとすれば、それはわたしがあなたを背負っていたからではなかったか?」

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